Canon’s philosophy

有城佳音「Synchronicity」のなかからの言葉/対話 
canon's word


毎日毎日、ほんの少しずつ。遺跡を発掘しているようなもんだ。シャベルで大地を掘り進むわけじゃない。手に持っているのは刷毛だ。その刷毛で慎重に、丁寧に、大地を覆った砂を払うようにして進む。一日に進めるのはほんの数センチ。数ミリかもしれない。夕暮れになって腰を上げ、大地を見渡すと、夕陽も届ききれないくらいその大地は広い。その大地を見れば遺跡を壊したくなる。足元の成果を見ても遺跡を壊したくなる。辛抱するのはその毎日毎日じゃない。大地も一日の成果も見ないことだよ。
~Canon's word-op20~

見えてるものは実態じゃない。「影」に過ぎないんだよ。
~Canon's word-op19~

「お前はお前のやるべきことを黙ってやってろ。一度くらいとことん信用してみろよ。不安かもしれんが、お前がやるよりはずっとましだ」
~Canon's word-op19~

人間ひとりひとりにそんな差異はないよ。同じ世界で生きて、同じ知識を詰め込んで、同じものを求める。だから誰だって同じだよ。俺の隣の椅子が空いてる。「ここいいですか?」断る理由がない。「どうぞ」と気持ちよく勧める。問題はその先があるかどうかだよ。それだって俺の意思では決められないんだよ。
~Canon's word-op18~

君が思いたいように思えばいい。君は俺の話を聞いて、自分に理解できる小さな既成の「枠」のなかで考えようとする。それでは永遠に正確な俺には辿り着かない。
~Canon's word-op17~

社会全体で劣化していれば、劣化はわかっていても、どれほどの劣化か気付かない。一週間ほど離れてみればいい。そうすればよくわかる。だけど一日すら離れられないことが劣化なんだよ。~Canon's word-op16~

きみがどう解釈しようと、そんなものお構いなく、朝になれば太陽は昇ってくる。
~Canon's word-op15~

忘れたころにやってくるのは天災だけ
じゃない。幸福だって忘れたころにやってくる。だけど人は幸福を望むことを忘れられない。幸福にある人は、幸福を望んではいない。それを守ろうとした瞬間から不幸が始まるんだよ。~Canon's word-op14~

基礎だけ残して、上物はすべて撤去する。あるがままだった形に戻す。世界との関わりは、対話でも交渉でも演説でもなく、そして、協調でもない。閉じられた独白
なのだ。~Canon's word-op13~

何が'最善の選択'なのかは、その選択した川を流れてみなければわからない。その川を流れた以上、もうひとつの川は想像でしかない。つまり、常に今流れているこの'最善の川'しかないんだよ。
~Canon's word-op12~

きみの言う通り、目の前の道を淡々と歩いていくよ。時代のせいでも、誰かのせいでもない。自分の道を邪魔してたのは自分自身だったよ。
~Canon's word-op11~

偶然とか、幸運とか、天から降ってくるような話はない。そこには理由も目的もある。だけど、あまりにでかすぎてその一部も見えない。だから不安になって、その不安が道を逸れさせる。誰もが'理解できる'わかりやすいもの'を頼りにしてね。でも、その道は違う。だから必死になって元の道に戻る
んだよ~Canon's word-op10~
自らの臆病さを、常識や倫理を後ろ盾にして、自分で自分の人生を邪魔してきただけだろ?~Canon's word-op9~
旅人にコートを脱がせるのは、'太陽'だけでもない。~Canon's word-op8~
数?集団で進む道ほど危険な道はない。誰もが無責任で、破滅していることにすら気づけない。利点と言えば、その破滅を'集団'で誰かのせいにできること。しかし'破滅'に変わりはない。~Canon's word-op7~
船を降りると、自分がどんな船にしがみついていたかよくわかるよ。~Canon's word-op6~
大衆は、なんだってするさ。ナチスがやったことだって、同じ人間がやったことだ。コロンブスがやったことだってだ。俺は違う? 私は違う? いや、同じだよ。常に大衆は強者に同化する名もなき'船員'なんだ。~Canon's word-op5~
自分のいない夢はなく、自分のいない現実もない。しかし、自分がいるのは常にその一方で、自分がいる世界が唯一の現実なのだ。~Canon's word-op4~
人間は愚かさゆえにその価値がわからず、自分たちの首を絞める。ソクラテスを処刑したように。~Canon's word-op3~
「この列車はどこにいくんだろう?」と、古ぼけた車両を見つめる。「私にはわからないわ」と老婆は上品に微笑む。「これはあなたの列車だから」~Canon's word-op2~
猿の前に札束と一本のバナナを置く。猿は迷うことなくバナナに手を伸ばす。札束を取ればバナナなど腐るほど手に入る。しかし猿にはその価値も万能性も理解できない。しかし人間は札束に手を伸ばす。猿と同じようにもっと価値あるものも、それ以上の万能性も理解できないからだよ。~Canon's word-op1~